女性ユニオン東京30周年記念ネットラジオの文字起こしです。立ち上げ当初を知るメンバーがその頃体験したことや想いを語りました。この話は、YouTubeやSpotifyでも詳しくお聞きいただけます。
(1)では、女性ユニオン東京が誕生した1995年の時代背景と設立メンバーの熱い想い、(2)では「できることから」と始めたが、その後の熱気が語られ、(3)では95年3月の結成大会の様子やその頃に転記になった日本の雇用環境の話題につながりました。
日本で労働組合に加入している労働者の割合は2023年6月末時点で16%台の過去最低水準、女性に限ると12%台になり、多くの人の仕事環境では労働組合が縁遠い状況が続いています。また逆に、労働組合に巨大で敷居が高いイメージがある方も多いかもしれません。そこであえてこの女性ユニオン東京の歴史と設立の背景と実際のところを紐解いていきます。
労働時間の過酷化。「女性の問題」として語られて突破されてしまう。
女性の深夜業解禁、増えた体調不良や病気の問題
谷
もう1つは結成して、(男女雇用機会)均等法の見直しと一緒だ!深夜業の解禁っていう問題が出てきた。
女性保護っていうので、深夜業、10時以降は仕事さしちゃいけないっていう(法律)を取っ払うと。(その理由は)女性も「自由に仕事ができない」っていうの。
葉山夏子
なんか「男並みに働かないとダメだ!」っていうような概念が透けて見えて。私は「なんで逆じゃないの」と思ったんだけどね。
葉山夏子
「逆でいいじゃない(男女ともに深夜業を規制する)」と思ったんだけど。「だからこそ男女平等だ」みたいな、なんか変な議論があった。
谷
メディア・マスコミなんかも、あの「タクシーの運転手の女性」だとかね、あとは「新聞記者の女性が取材が限定される」だとかで、そういうキャンペーン、結構はって、あの、すごくなんか、だから、それはそれでいいけど。だけど、全体のね、あの深夜業を規制すればいいんであって…と思うんだけど。
あの全体の労働運動がやっぱり、そこんところすごい弱かったって私は思うんですね。やっぱり「女性の問題」みたいにしか捉えない。
谷
だけど、深夜業が解禁になってから、相談の流れの中で長時間労働の問題だとか、体調の不良の問題とか病気問題。合わせて増えてってるんですよ。
葉山夏子
当時からメンタルとかの職場のそのメンタル的な不調を訴える人も急にやっぱり増えて……。
増える「〇〇ハラスメント」のラベリング
谷
もう一方で、いじめの問題っていうのも。
葉山夏子
そうそうそう!(今の)ハラスメントって言葉が(当時は)いじめで。
最初、職場のいじめっていう言葉ですよね。セクシュアルハラスメントっていう言葉あったけど、陰湿ないじめ(だった)。
ねこくま
じゃあ、パワーハラスメントも?
葉山夏子
パワーハラスメントモラルハラスメントも(言葉は)なかった。
谷
ハラスメントってどんどんこう細分化して「何ハラ」「何ハラ」みたいになっていくのに、それでいいんだろうか?って思うのね。
もっと違法行為は違法行為なんだから、ハラスメントって言わなくたって(いいのに)!
なるべく辞めさせない経営ではなくなり、疑心暗鬼
葉山夏子
ね。やっぱりみんなが気持ち心地よく・長く働きたい職場にしてこう!っていう、そもそものところから逆行して、要するに人を減らしたいからいじめて。
「ちょっとでも違和感ある人は辞めさせよう」みたいなね。そんな流れが出てきたのもその頃かな。
前はまだ余裕があったからそんな人でもね、じゃあ「他の部署に行ってこっちの方だったらうまくやれるんじゃないか」とか配置してみたりして、なるべく辞めさせないような経営をしていたところ多かったと思うんだけど。
谷
うんうんそうだよね
葉山夏子
なんか急に(30年前に出てきた)この「リストラ」っていう言葉で「もう大変!会社を維持してく方が先だ!だから、やめてくれって」いうのがね、なんか大義名分になってしまって。
谷
うん。やっぱりもう人を人と思わない風になってきたんだなって思うのね。なんか。
葉山夏子
首切りというか、リストラみたいなのが欧米の方から来たような概念とかと思うんだけど、なんかそれやって、どんどんどんどんこうお互いが疑心暗鬼になったような感じありますよね。職場の中で。
それでも、自分たちでやる、やれるという気概が自信になる
葉山夏子
すごくこう時代が変わるというかね。働き方とか時代背景も働き方も法律もいろんな面がこう切り替わる時に女性ユニオン東京が誕生して、働く女性たちがなんて言うのかな「このままでは!自分たちでなんとかしていこう」っていうそういう気概がすごく現れたんだと思います。
谷
それと、実際にあの大変は大変でもこうやっぱりこうみんなで取り組むっていうこと通して「自分たちでやれるんだ」っていう自信をまたみんなつけたんじゃないかな、と思うのね。
うん。今までやっぱり労働と言っても、さっきちょっと言ったように相談受けたり対応するのは男性が中心っていうのがほとんど。
だからそん中で、女性たちが自分たちで仕切って色々計画を立ててやってく!組織も運営していく!っていうことを、みんなでやってきたっていうのは、すごく大きい力だと思います
葉山夏子
うん。わかりました。ありがとうございます。ここでブレイクタイムにに入るというか、また続きは次回という風になると思うんですが、女性ユニオン東京ができた話を立ち上げから関わった谷さんにお話を伺いました。
ねこくま
谷さんありがとうございます。
97年発行の女性ユニオン東京の書籍『パワーアップ・メニュー』
谷
あの詳しい話はあの『パワーアップ・メニュー』っていう本まだ少し在庫があるからそれ見てもらうといいかなと思います。
※書籍名は以下になります
『働く女性のパワーアップ・メニュー 会社に負けない知恵と技』女性ユニオン東京=編 B6並製・256頁・1575円 教育史料出版会
葉山夏子
そうですね、ユニオンの立ち上げの時にでてきた「1人のプロではなく100人のセミプロ」でしたっけ。この言葉が『パワーアップメニュー』にも書かれてましたよね。確かね。
谷
はいはい。そうです。
ねこくまさんには是非読んでもらいたいなってね。
すごくね、あの本はワクワクした感が詰まってるような本だったなと思います。
ねこくま
はい。私もやっぱここ最近、やっぱコロナ以降の人手不足やら労働環境が悪化していく中で、30年前の女性労働の問を聞くとなんか、昔の方がまだ行動がすればみんなから反響があったな~と。
やっぱ景気が厳しく(なってそのまま)年数が過ぎて、だんだん女性労働が厳しくなっていってる側面もあるんだなっていう風に感じました。
そういった意味ではいい面と悪い面が。
谷
そうだね。で、しんどいなと思うのは、さっき言った長時間労働化してるから、前だったら5時で終わる企業がほとんど。5時から5時半、遅くても6時には帰れるっていう。だから、集まりを6時半からやるの大丈夫だったんだけど、今7時からじゃないとできないとかね。
そんな風に、やっぱりみんなシフトがすごく増えてきたり、みんなで一緒に取り組むっていうのがすごく難しく、工夫が必要な状況になってるな~っていうの感じます。
葉山夏子
30年を振り返って、今日は立ち上げの時の話をしました。
なんかすごくあの遠いようで近いようでやっぱり遠い。
でもやっぱり今につながってるあの貴重のお話でした。
谷さんありがとうございました
ありがとうございました
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