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労働委員会申し立てへ 首都圏青年ユニオン・公共一般セクハラ事後対応事件

更新日:2024年12月30日

組合員が機関誌『ファイト』へ書いた文章を紹介します



組合運動はミソジニー社会

VOL.312 (2023年10月発行) 掲載原稿

 私は無知だった。労働組合に加入したときも、はした金をもらって、自分の問題が解決したら労働組合はやめればいいと考えていた。労働組合は私にとって、安く使える代行だった。そう。多くの人がそうやって個人加盟組合を利用するように。


 加入した労働組合は比較的若い層が多いからか、堅苦しくなく、フラットな環境であるように見えていた。そしてこうも思っていた。労働組合は労働者を守る組織なのだから、当然、そこにいる人たちも人権意識の高い人たちで、女性差別はしないだろうと。


 ほどなくして弁の立つ私は、専従オルグのパートタイムとして働くこととなった。専従オルグとして2年半、経験を積み重ね、私は自分がこれまで会社から傷つけられてきた尊厳を、相談者と一緒に戦うことで取り戻しているという実感があった。



 そんな矢先、「あれ」は起きた。上部団体に所属する高齢男性からだった。弁の立つ私。そんな私はどこにもいなかった。頭が真っ白になり、激しい動悸と汗、嫌悪感でなにも言い返せない。悔しい。腸が煮えくり返る。


 すぐに組合の委員長に通報した。加害者は全面的に加害を認めたが、その後の組合の対応が、さらに私を追い詰めることになる。私は組合の対応に問題があると訴えた。被害者への配慮にかける言動があったと。


 すると組合は、私を異様でヒステリックな加害者に仕立て上げた。また、頭が真っ白になる。労働組合がこんなことをするのか。異論を許さない組合の態度は、極めて異様にうつった。異論を許さないのならば、せめてそのまま満期で雇い止めでもすればいい。



 しかし、彼らは次々と懲罰的な処分を行った。私は今でもわからない。なぜここまで被害者を傷めつけるのか。対話をしようとしないのか。普段何食わぬ顔で相談や労働運動にあたっている彼らを恐ろしいと思う。「女性差別をやっつけよう」と掲げながら、裏では被害者を徹底的に叩き潰す。彼らはもはや労働組合ではない。人とも思えない。


 私は無知だった。この件で支援についてくれている先輩方の話を聞く。聴くに堪えないおぞましい労働組合のミソジニー体質が見えてきた。これは私だけではない、労働組合全体の問題なのだと。私は出る杭どころか埋まっている杭だ。飛び出てやる。厄介な出る杭に。



 

労働委員会申し立てへ

VOL.315 (2024年2月発行) 掲載原稿


 セクシュアルハラスメント受けた被害者が、首都圏青年ユニオン及び公共一般(青年ユニオンら)事後対応について講義したら、青年ユニオンは被害者に対して反省と謝罪を求める「指導書」を出し、自宅待機、除籍、最終的に被害者を雇止めにした。


 さらに、青年ユニオンらは女性ユニオン東京からの団体交渉申し入れに対して、不必要に文書回答を求め、第2回団体交渉に応諾せず雇止めを強行したため、11月2日、16日と不当労働行為で東京都労働委員会(都労委)に救済申請を行った。


 都労委の第1回調査が1月31日に行われた。青年ユニオンらは、まぎれもない労働組合であるにもかかわらず、労働委員会では7人もの代理人弁護士をつけてきた。


 労働組合が主たる申立人として利用する基幹の労働委員会に、被申立人である労働組合が弁護士をつけるとは、被申立人である労働組合が弁護士をつけるとは、はっきり言って「自分たちに交渉能力がありません」と自認しているに等しい。


 「非正規春闘」を掲げながら、青年ユニオンは「短期アルバイトだから雇止めは問題ない」と主張し、こちらが情けなくなる…。


まだ始まったばかりだが、相手の論にのらず、ぶれない主張を続けていきたい。


次回4月30日に向けて鋭意邁進中!


今回起きたことは女性差別の問題である。


セクシュアル・ハラスメントが起きたこと、その後の事後対応、二次加害、物言う被害者の排除、これらは女性差別、とりわけ人権侵害だ。


労働組合を含め、あらゆる社会運動組織にはびこる根強い女性蔑視。


田中美津さんの言葉によれば「便所からの解放」、50年経った今、私たちは解放されているか。


そんな問いすら馬鹿馬鹿しく感じられる。


空を掻く現実に疲れる。


いや疲れはてているが、わたしたちはやめない。


 

山場を迎えた都労委・あきらめない仲間たち

VOL.322 (2024年10月26日発行) 掲載原稿


団交拒否と不利益取扱い (雇止め) で救済申立している都労委は大きな山場にきています。


◆概略(コーナー「あきらめない仲間たち」より)

所属組合のアルバイト専従オルグ。職場で親組合の組合員からセクシュアル・ハラスメント加害を受ける。不適切な組合の事後対応に対して問題提起した被害者の言動が問題とされ、話し合いもなく「指導書」が出され、さらに「警告書」で雇い止め予告。


団交を申し入れたら、組合除籍・自宅待機と処分が続く。


昨年(2023年)9月29日の第1回団交、何度も申し入れたが団交応諾しないので11月2日付けで都労委に団交拒否の救済申し立てを行った。


その直後11月3日、被害者の実名と被害内容を組合員に一斉メールで流布され、雇止めが強行された。雇止めに対して不当労働行為救済を追加申立。申立を受けて団交日程の回答があり12月20日に第2回団交を行ったが、問題発言に終始するもので、被害者をさらに気付付けた。


 今年(2024年)に入り、都労委は1月の第1回調査に続き10月2日に第4回調査。期日1週間前にこちらからの準備書面3(答弁書1の認否反論)、準備書面4(答弁書2の認否反論)、準備書面5(被申立側準備書面1,2に対する認否反論)、準備書面5(被申立側準備書面1,2に対する認否反論と主張)を提出。被申立側はこちらの書面に対して反論しないと表明、今後の進行についてこちらから次回委員会に提案することとなった。次回11月8日10時半~11時半予定。


◆自己批判のない公共一般と青年ユニオン

 彼らは指導書、 警告書を含めたセクシュアルハラスメント事後対応について、「模範的な対応」と自画自賛した。 彼らにとっては青年ユニオン全組合員約 400 人へ、 セク シュアルハラスメント被害者の名前を被害内容を暴露した プライバシーの侵害も 「模範的対応」 なのだろうか。


 さらに当方が女性ユニオン東京に加入した理由につい て、石上がセクシュアルハラスメント事後対応に対する抗 議した件をあげて 「謝罪要求を女性ユニオン東京を通じて改めて述べているにすぎないもの」 と身勝手な妄想を書きなぐっていた。警告書で雇い止め予告したことをすっかり忘れてしまったらしい。団体交渉でも自らの事後対応について、「十分に行った」と実に16回にわたって発言していたくらいだ。彼らに「自己批判」という概念はないのか。


 事後対応に抗議したセクシュアルハラスメント被害者を、 加害者に仕立て上げて雇い止めして排除する。まさに労働 組合に駆け込んで相談する内容だ。理不尽に雇い止めさ れた労働者とともに闘うはずの労働組合が、 理不尽に雇い止めしたのだ。組織は人をおかしくするのだろうか。彼らは日々労働相談を受けているその真裏で、意に沿わない者を組織から排除している。


◆苦しみに耐えながら書いた準備書面

 今回の準備書面作成は最も難儀だった。前回と似通った主張ではなく、新たな視点から切り込む必要があったからだ。特にセクシュアルハラスメント事後対応については、不当労働行為との関係の整理が非常に難しい作業だった。


 彼らの悪質な言動の数々に言いたいことは山ほどあるが、だからと言って不当労働行為性は如何に?である。書いては消しを繰り返し、試行錯誤して提出当日まで作業した。辛い体験がよみがえり、思うように書けないこともあった。


 10月2日の都労委。公共一般ならびに青年ユニオンは、私たちの書面に反論しないという結論を出した。そしてここから和解か命令に向かうか、進め方を決めることになる。いつも思う。被害者は常に選択を迫られ、妥協を強いられる。制度というシステムは残酷だ。


チラシ表:東京公務公共一般・首都圏青年ユニオンは石上さやかさんの除籍・雇止めを撤回し、セクシャルハラスメント対応を適切に行え!



チラシ裏:石上さんに起きたこと、二次被害、雇止め告知、除籍処分、不当労働行為救済の申し立て



 

報告: 都労委首都圏青年ユニオン・公共一般セクハラ事後対応事件

VOL.318 (2024年5月発行) 掲載原稿

東京公務公共一般労働組合 (以下、 公共一般) の 青年支部である首都圏青年ユニオン(以下、青年ユニオン)で、セクシャルハラスメントの事後対応への 改善要求を訴えたら指導書が出され、 除籍のうえ雇い止めにあった事案。 現在、不当労働行為で争議中。


◆「尊厳や健康を害されるってことは知りませんでした」


上記の小見出しは、第2回団体交渉のなかで公共一般の書記長である松崎氏が発した言葉だ。青年ユニオンの定期大会前日に約400人の組合員に私の名前と具体的な被害内容を記したメールを送り、暴露した。ちなみに加害者の名前は出ていない。


団体交渉で私たちは、被害者の名前と具体的被害内容を載せる必要があったのか、それは厚労省のセクシャルハラスメントの指針にあるプライバシーの保護に反するものであり、被害者の尊厳や健康が害されるものであることを指摘した。その答えが小見出しの言葉だ。私を含め、女性ユニオン東京の組合員は唖然とした。さらに松崎氏はこう続けた。「強姦されただとか、無理やり抱きつかれたとか、そのようなことがあるのであれば、そこは配慮しなければならない事柄になってくるのかとの認識ではいます。要するに、松崎氏のなかではセクシャルハラスメントには上中下のように、配慮しなければならない被害としなくてよい被害があって、私の被害は配慮しなくてよいものだと判断したということだ。これには頭を抱えた。団体交渉の場で、せめて繕うこともせず、このような暴力的な発言を目の前の被害者に向けられることに愕然とし、力が入らなかった。これは団体交渉のほんの一部を抜粋したものだ。


◆労働委員会の準備書面


公共一般と青年ユニオンは、除籍という処分をはさむことによって、組合員籍の問題は団体自治であるから団体交渉の協議事項ではないと主張。しかし実際には除籍を理由に自宅待機命令を出し、組合員でなければ専従スタッフとして仕事ができないと団体交渉のなかで発言している。つまり除籍=雇い止めなのだ。それを組織の問題だから口を出すなとすり替えており、非常に狡猾なやり方で雇い止めに追い込んだ。


準備書面で反訳を引用するのは、非常にしんどい作業だ。しかし闘わなければ勝てない。次回調査期日は7月25日(木)14時から。ぜひ傍聴を。


 

 

このたたかいを応援してくれる人は、

ぜひ女性ユニオン東京へ集まってください。

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