■「職場の雰囲気を変えたい」葉山夏子さんのケース  

 勤続10年 スポーツ用品卸業 営業事務職 正社員

 

 社員が10人以下の小さな会社で働いています。営業事務は私一人で、繁忙期は入力伝票が増えて大忙しになり、目処がつくまで職場に一人残って仕事をする毎日でした。頼りにしていた上司は病気で職場を去り、社長は経営のことには無頓着でした。

 そんな職場の雰囲気を変えたい、社長に従業員の仕事の内容についてもっと考えてほしいと思い、団体交渉を申し入れました。同僚にも声をかけたのですが、「労働組合」「団体交渉」という言葉になじみがないのか賛同を得られず、職場に居づらくなったらやめてもいい、と思って私一人で申し入れました。

 その数年前に、私は女性ユニオン東京に加入していました。「労働者と使用者が対等に話し合う場」としての団体交渉に、職場を良くしていく可能性があると考えたのです。

 私には固定残業手当が支給されていました。タイムカードはなかったので、手帳に書き留めておいた残業時間、休日出勤時間を元に計算したところ、固定残業手当を超える残業時間だったことがわかり、手当の差額を要求し支払われました。

 その後は、仕事が片付かないときは社長に残業申請を提出して許可をもらうことにしました。本来なら残業は上司の命令で行うものですが、社員の仕事内容を把握していない社長なので命令もできず、かといって定時で私が業務を終了していたのでは、仕事が滞ってしまいます。でもこれで、営業事務の私が一人でどれくらい仕事をしているかを、社長に少しは考えてもらえたのではないかと思います。

 その後1年ほどして社長が替わりました。新しい社長は鶴の一声で「職場の禁煙」「セクシュアル・ハラスメントの禁止」を徹底させ、各自の仕事分担を見直しました。良くも悪くも、上司が替わると職場の雰囲気も変わります。社長が定時で仕事を終えるので、私たちも時間内に仕事を終えて帰宅するようになりました。職場の規模と売上げが合うように、無駄な事務仕事が次々と減っていったのです。

 会社の雰囲気が良いと働く人のモチベーションが上がり、ひいては業績も良くなっていきます。職場というのは社長や上司の考えが反映しますが、団体交渉によってもっと働きやすく変えていくこともできると思います。嫌がらせが続く、仕事が過重だ、など少しでも変だなと思ったら、まずは周りの人やユニオンに相談してみることをお勧めします。我慢したり仕事をすぐにやめたりしないで、まずは自分で対応できる方法を考えたいです。

 せっかく見つけた職場だから長く勤めていきたいと思います。そして長く勤めていくうちに、嫌な上司や同僚が異動で替わることもあります。ですから職場のトラブルをユニオンに相談しながら上手にかわし、長く勤めていくことも大事だと思います。仕事の経験の積み重ねとともに、団体交渉の経験はきっと人生のいろいろな場面で役に立つでしょう。

女性ユニオン東京 tel & fax:03-6907-2020 e-mail:info@w-union.org  〒170-0011 東京都豊島区池袋本町4-6-3メゾン孝203

  • Facebook App Icon
  • Twitter App Icon
  • YouTube App Icon