「職場の雰囲気を変えたい」葉山夏子さんのケース  

 38歳 勤続10年 スポーツ用品卸 営業事務職 正社員

 

 社員が10人以下の小さな会社で働いています。営業事務は私一人で、繁忙期はめどがつくまでひとり残業して仕事をしていました。上司は病気で退職、社長は経営には無頓着でした。

 そんな状況を変えたい、社長に社員がどんな仕事をしているかを考えてほしくて団体交渉を申し入れました。「労働者と使用者が対等に話し合う場」としての団体交渉に、職場をよくしていく可能性があると考えたのです。まず、タイムカードはなかったので手帳に書き留めていた残業時間、休日出勤時間をもとに残業手当を計算しました。そして固定残業手当との差額を要求し、支払われました。そして、社長に残業申請書を提出することにしました。これによって私がどんな仕事をして、どれほどの業務が一人に集中しているかを社長が考えるきっかけになったのではないかと思います。

 その後1年ほどして社長が変わりました。次の社長は「職場の禁煙」「セクシャルハラスメントの禁止」を徹底させ、各自の仕事の分担を見直しました。良くも悪くも、上司が変わると職場の雰囲気も変わります。社長が定時で仕事を終えて帰るので、私たちも時間内に仕事を終えるようになりました。そして、無駄な仕事が減った結果モチベーションが上がり、業績もよくなっていきました。

 長く同じ職場に勤める中で、上司が変わったり、嫌がらせがあったり、仕事が過重になったりと様々な変化があると思います。そのなかで少しでもおかしい、理にかなっていないと感じたら、周りの人やユニオンに相談することをお勧めします。我慢し続けて体を壊してしまったり、すぐに辞めたりせずに、まずは誰かと一緒に対処できることを考えてみましう。

 団体交渉は恐ろしいことでもなんでもなくて、率直な意見を会社に言える場だと思います。

「業績が悪いので整理解雇です!?」柴わんこさんのケース

 

 上司である営業部長に呼ばれ、「業績が悪いので整理解雇を予告します」と言われた。会社はこれまで経費削減や給与カットなどの対策はとっていない。「受けられません」と言ってその場をやり過ごし、相談機関に電話をすると、会社の対応は不当解雇にあたると回答を得た。

 どのように会社と話し合っていけばよいかと悩んでいると、女性ユニオン東京を紹介され相談した。そして会社には解雇は「受けられない」と言い続けた。

 組合に加入し、まず会社になぜ解雇をするのか確認するために解雇理由書を求めた。ところが1週間たっても理由書は渡されないので団体交渉を申し入れた。会社は申入書を受け取ると、全社員に聞こえるように「こんな手紙が来た!」と見せしめにして、整理解雇ではありませんという解雇通知書を投げつけるように渡してきた。

 解雇通知を受けてから約1か月後に1回目の団交を行った。しかし会社は、求めていた就業規則や経営状況を示す資料の提示や説明もなく、「整理解雇の4要件はわからないので教えてほしい」と言うなど、全く話し合いにならないので、東京都労働委員会にあっせんを申込んだ。この間に会社が設定した解雇日になり、一方的に「離職票」が送られてきた。

 労働委員会のあっせんで、会社に非があったことを認めさせたが、信頼関係が崩壊した中での復帰は難しいと考え、最終的に解決金を受け取ることで退職する協定書を交わした。